マイクロサージャリー その1
さて、前回にひきつづき手術顕微鏡を使った
マイクロサージャリーについて
具体的な手術例を挙げると...
「舌の裂傷」
毛先をカットしてるときに誤ってワンちゃん(超小型犬)の舌を
ハサミで切ったようです。
舌は、皮一枚でつながってるかのようなプランと切れた状態でした。
縫合糸7-0により表と裏をそれぞれ縫合。術後も良好です。
「角膜破裂」
もともと角膜潰瘍(眼の表面にある角膜の傷)があり、目薬を家でできず治療が難しい子でした。
いったんは治ってたようなんですが
ある日突然、角膜が破裂!
血餅がまじった眼房水があふれでていました。
前眼房内に生食を注入し膨張させながら、8-0により角膜縫合をします。
結膜より有茎皮弁を作製して角膜縫合した部位に覆いかぶせます。
結膜皮弁上の血管が豊富であり、透きとおるぐらい薄ければ
術後の皮弁トリミングも必要ないかと思います
ペキニーズ 4歳 角膜縫合および結膜有茎皮弁術 術後4ヶ月
ほかには猫の包皮粘膜を利用した会陰尿道瘻設置術や
犬の椎間板ヘルニアにもマイクロサージャリーは大変有用です。
今度は犬猫の尿管結石についても詳しくご紹介したいと思います。